不動産売却を始める前に知っておきたい基礎知識
少しでも良い条件で不動産を売却したいのであれば、あらかじめある程度の不動産売却の基礎知識を知っておくことが大切です。後々、「もっと高く売れると思ったのに…」「こんなに経費が掛かるとは…」「なんか損してない?」のような後悔や不満が残らないように、事前準備をしておきましょう。
広島市、安芸郡のエリアを得意とする「グッドエステート」が、不動産売却を成功させるために知っておきたい基礎知識や売却の秘訣をご紹介します。
知っておきたい4つのポイント
不動産売却の費用を知る
不動産を売却するときには様々な費用を負担することになります。 また、売却時の状況によっては高額な税金が課されることがあります。 そのような費用を事前に把握しておきましょう。
仲介手数料
不動産会社に仲介を依頼して売買契約が成立した場合に、成功報酬として支払う費用です。宅地建物取引業法で規定されており、一般的に(売却価格×3%+6万円)×消費税率です。売却価格が高額になれば手数料も高額になります。
※売却価格が400万円以下の場合は別途計算方法があります。
抵当権抹消費用
住宅ローンが残った状態の場合は抵当権が設定されています。抵当権が付いた不動産を売却する場合には、あらかじめ借入金を全額返済し、抵当権を抹消する必要があります。(抵当権が付いたままでも売却活動は可能です)
住宅ローンを一括返済する費用と金融機関により繰り上げ返済手数料等が発生します。なお、抵当権の抹消手続きはご自身でも可能な場合がありますが、一般的には司法書士に依頼するため、司法書士への報酬も発生します。
また、登記簿に記載された住所が現住所と異なる場合は、表示変更登記の費用が別途必要です。
各種証明書の発行費用
印鑑証明書や住民票などの公的証明書が必要になる場合があります。大きな金額ではありませんが、書類発行には手数料がかかります。
印紙税
不動産の売買においては売主と買主の間で取り交わす売買契約書に印紙税法に基づき収入印紙を貼付する必要があります。売主・買主がそれぞれ印紙を貼らなければなりません。契約金額によって貼付する印紙税額が決まっています。売買価格が500~1,000万円であれば5,000円、1,000~5,000万円では1万円、5,000万~1億円では3万円です。
境界確定費用
土地の売買では、引き渡しまでに境界を明示することが義務付けられていることがほとんどです。後々トラブルとならないためにも境界標の有無を確認し、ない場合には復元、もしくは新たに設置をする必要があります。境界標は土地家屋調査士という専門家が現地を測量し隣地所有者との立会い確認を行って設置します。費用は土地の形状、面積、境界標の数など状況によって異なります。
その他の費用
その他にも新居への引っ越し費用や売却のためにリフォーム・ハウスクリーニングをする費用、不用品の処分費用、建物を解体する費用などが必要になる場合もあります。 契約条件によっては、広告費やその他の費用が発生する可能性もあります。媒介契約を結ぶ前に、しっかりと確認しておきましょう。
売却後の税金を知る
税金は後からやってきます。
売却した翌年に思ってもいなかった高額な納付書が届いてびっくり!なんてことがないようにしっかりと確認しておきましょう。
譲渡所得の税金
不動産を売却して利益(譲渡益)が生じた場合には、その利益に対して、所得税と住民税がかかります。この課税対象となる利益のことを、「譲渡所得(金額)」といいます。
※不動産の譲渡所得は、他の所得とは合算せずに計算される「分離課税」です。
「譲渡所得金額」は、譲渡による収入金額(譲渡価額)から、その不動産を取得したときの価額や取得に要した費用(取得費)、および譲渡に要した費用(譲渡費用)を差し引いて計算されます。
この「譲渡所得金額」から、さらに様々な条件に応じて特別控除(特別控除に関してはこちら)の適用があれば、その特別控除額を控除したものが、税額計算の基礎となる「課税譲渡所得金額」です。
課税譲渡所得金額 = 譲渡価額 ー 取得費 ー 譲渡費用 ー 特別控除
※この課税譲渡所得金額に、所得税と住民税が課税されます。さらに所得税に対して2.1%の復興特別所得税が別途課税されます。
なお、所得税率と住民税率はその不動産を所有していた期間によって大きく異なります。
所得税率 | 住民税率 | |
短期譲渡所得(所有期間5年以上) | 30% | 9% |
長期譲渡所得(所有期間5年超) | 15% | 5% |
譲渡所得の特例
譲渡所得には様々な特例が設けられています。その一部をご紹介します。
相続により取得した不動産の譲渡の特例
相続によって取得した不動産を譲渡した場合には、亡くなった人(被相続人)が取得した日と取得費を引き継ぐことができます。
相続した被相続人の空き家の譲渡の特例
相続により取得した被相続人の自宅であった空き家を被相続人が亡くなってから一定期間内に譲渡した場合には、その譲渡益から3,000万円控除できます。
ただし、この特例はそのまま放置すると危険な建物を減らすための措置ですので、そのまま譲渡しても適用が可能なのは、耐震基準を満たしている建物である必要があります。耐震基準を満たしていない場合は、耐震基準を満たすようにリフォームするか、建物を取り壊して更地にして譲渡することが必要です。
■この特例を受けるための主な適用要件
詳細は国税庁タックスアンサーNO.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の特例」をご確認ください。
- 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築されたこと
- マンションのような区分所有建物ではないこと
- 相続した日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却したもの
- 相続開始直前において被相続人以外に居住していた人がいなかったこと
- 相続の時から譲渡の時まで賃貸などに供されていないこと
- 売買代金が1億円以下であること
- 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと
- 売った家屋や敷地等について、相続財産を売却した場合の所得費の特例や収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと
なお、この特例は確定申告の際に提出を求められる書類がありますので確認が必要です。
居住用不動産譲渡の3,000万円控除
この特別控除は、自分が住んでいる土地建物を譲渡したときに、その譲渡所得から3,000万円を控除することができます。また、所有期間の長期、短期に関わらず利用可能です。
なお、共有名義の場合はそれぞれの持ち分について3,000万円の特別控除が受けられます。
■この特例を受けるための主な適用要件
詳細は国税庁タックスアンサーNO.3302「マイホームを売ったときの特例」をご確認ください。
- 自分が住んでいる家屋およびその敷地の売却であること
- 売却した年の前年および前々年にこの特例や、居住用不動産の買換特例などを受けていないこと
- 親族・夫婦間や自分がオーナーの会社への売却でないこと
居住用不動産の譲渡の軽減税率
所有期間が10年超である一定の要件を満たす自宅を譲渡した場合には通常の税率よりも低い税率が適用されます。
所得税 | 住民税 | |
3,000万円特別控除後の譲渡所得のうち6,000万円以下の部分 | 10% | 4% |
3,000万円特別控除後の譲渡所得のうち6,000万円を超える部分 | 15% | 5% |
■この特例を受けるための主な適用要件
詳細は国税庁タックスアンサーNO.3305「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」をご確認ください。
- 自分の住んでいる家屋およびその敷地の売却であること
- 売却した年の前年及び前々年にこの特例を受けていないこと
- 売却した年の1月1日において、売却した家屋や敷地の所有期間が10年を超えていること
- 売却した家屋や敷地について居住用不動産の買換特例を受けていないこと
- 親族・夫婦間や自分がオーナーの会社への売却でないこと
自分の不動産の価値を知る
不動産を売却する際に、自分の不動産の価値を正確に知ることは非常に重要です。不動産の正確な価値を知ることにより、適切な価格設定が可能となり、売却プロセスがスムーズに進みます。以下に、不動産売却時に自分の不動産の価値を知ることの重要性について詳しく説明します。
1. 周辺の価格相場:
自分の不動産の価値を知るためには、まず周辺の不動産市場の価格相場を調査する必要があります。同じ地域や近隣の類似物件の売却価格を調査し、比較することで、自分の不動産の相対的な価値を把握できます。これにより、適切な価格帯を設定することができ、競争力のある価格で売却するチャンスを高めます。
2. 所有不動産の長所と短所:
自分の不動産の長所と短所を正確に把握することも重要です。長所とは、例えば広々とした庭や景観など、他の物件にはない特徴や交通の利便性です。短所とは、例えば交通騒音や修繕が必要な箇所など、改善が必要な点です。自分の不動産の良いところだけでなくマイナス面も含めて的確に把握することで、価値を最大限に活かすための戦略を立てることができます。
3. 買主のニーズ:
買主のニーズを理解することも重要です。不動産市場は多様で、様々な買主が異なるニーズを持っています。例えば、ファミリー向けの住宅を売却する場合、周辺の学校や公園の近さが重要な要素となるでしょう。逆に、投資家向けの物件では、将来の成長ポテンシャルや賃貸需要の見込みなどが重要な要素となります。買主のニーズを知ることで、自分の不動産の魅力を的確にアピールすることができます。
以上のように、自分の不動産の価値を正確に知ることは、適切な価格設定やマーケティング戦略の立案に欠かせません。周辺の価格相場を把握し、所有不動産の長所と短所を明確にし、買主のニーズを理解することにより、自分の不動産の魅力を最大限に引き出すことができます。不動産売却は重要な取引であり、十分な準備と情報収集を行うことが成功へのカギとなります。
売却までの流れを知る
不動産会社に依頼して買主を探してもらう仲介売却の流れをご説明します。
まずは相談から
不動産売却を検討されているなら、まずはこちらまでご相談ください。なぜ売却するのか、いつまでに売りたいのか、そのご状況によっては売らないという選択肢もあります。まずは不明なことをお聞かせください。
不動産査定
不動産査定は、売却の意思を問わず依頼できます。不動産の現在の価値を知ることで、今後のプランが立てやすくなります。簡単に済ませたいなら担当者が現地に足を運ばずに済ませる「机上査定」、詳しい査定額を知りたい場合には現地で直接査定する「訪問査定」があります。
媒介契約
査定結果や売却の進め方に問題がなければ、不動産会社との間で媒介契約の締結です。媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つがあります。詳細を確認のうえ自分に適したものをお選びください。
販売活動の開始
媒介契約を締結すると、販売活動を開始いたします。販売活動は、Webサイトで物件情報を宣伝するのが一般的です。また、購入希望者から見学の希望があれば、売主様にご協力いただくことになります。少しでもいい印象を持ってもらえるように事前に物件内部の清掃や整理整頓が必要になることもあります。
購入希望者との売却交渉
購入希望者が見つかったら、契約条件の交渉に入ります。ここで交渉される主な売却条件は、物件価格、物件のお引き渡し日、代金の支払い方法や支払期日です。できるだけ不満を残さないためには、しっかり要望を伝えておくとよいでしょう。
売買契約の締結
契約条件がまとまったら、不動産売買契約を締結します。一般的には売買代金の一部から手付金として不動産価格の5%から10%を額を受け取ります。
お引き渡しへの準備
売買契約締結後はお引き渡しに向けての準備開始です。水道・ガス・電気などの各種手続きや、住宅ローンがある場合は抵当権抹消の準備が必要になります。お住まい中の場合はお引越しや荷物の処分の手配も必要です。
決済・お引き渡し
最後は売買代金の残りを受け取るのと同時に不動産のカギをお渡しして、お引き渡し完了です。最後まで当社がしっかりサポートいたしますので、ご安心ください。