住宅ローンの滞納でお困りの方

住宅ローンの返済に苦しんでいる方にとって、任意売却という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。任意売却は競売とは異なり、自らの意志で不動産を売却する方法です。競売にかけられる前に、任意売却を検討する期間があることをご存知でしょうか？この記事では、任意売却と競売の違い、任意売却のメリットについてわかりやすくご説明します。 

住宅ローンについて考える夫婦

任意売却と競売の違い 

まずは、任意売却と競売の違いを理解しましょう。 

競売は、住宅ローンの滞納が長期化し、債権者（通常は金融機関）が不動産を差し押さえ、競売にかける手続きです。競売では、公開された入札によって最高額を提示した者が不動産を落札し、その代金で債務を返済します。競売では、不動産の価値が下落し、債権者による追加請求がある場合もあります。 

一方、任意売却は滞納が続く前に、自ら不動産を売却する方法です。滞納が続いていることを金融機関に相談し、任意売却の意思を伝えることで進めることができます。任意売却では、債権者との交渉が行われ、できるだけ債務残高を減らすことが目指されます。また、任意売却では不動産の価値を最大限に引き出すため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。 

任意売却のメリット 

任意売却には、以下のようなメリットがあります。 

  1. 競売による価値下落回避　
    競売では、市場価値よりも低い価格で不動産が落札されることがあります。任意売却ならば、不動産の価値を最大限に引き出すことが可能です。
  2. 信用履歴の回復　
    競売では信用履歴が大きく損なわれますが、任意売却では信用履歴の回復が早くなる可能性があります。返済計画を提案し、債務を減らすことで信用情報に良い影響を与えることができます。
  3. 追加請求の回避　
    競売では、不動産の売却代金が債務残高を超えない場合、債権者から追加請求が行われることがあります。任意売却ならば、債務残高との交渉を行い、追加請求を回避することができます。 
きれいな街並みの住宅街

競売にかけられる前の任意売却の期間

では、競売にかけられる前に任意売却を検討する期間は具体的にどれくらいなのでしょうか？ 

実際の期間はケースバイケースで異なりますが、一般的には 滞納期間が3ヶ月程度から6ヶ月程度とされています。滞納が続いている段階で金融機関に相談し、任意売却の意思を伝えることが重要です。早い段階での対応が、円滑な交渉や債務の減額につながることが多いです。 

ただし、各金融機関や地域によって異なる場合があるため、 早めに専門家に相談することをおすすめします。不動産の専門家や弁護士など、経験と知識を持つプロのサポートを受けることで、よりスムーズな任意売却手続きが進められるでしょう。 

任意売却競売
売却価格市場相場に近い価格で売却できる可能性があります。最低売却価格が市場相場の3割から5割程度安く設定されます。実際の競売では市場価格の8割前後の価格になることが多いです。
残債の返済債権者との話し合いで無理のない返済計画を立てることが可能です。一括返済を求められます。
引っ越し費用、生活費債権者との交渉で、売却代金から引っ越し費用など捻出できる可能性があります。売却代金はすべて債権者への返済に使われるため、引っ越し費用の捻出は難しいでしょう。
プライバシー通常の不動産売却と同じ方法を取るため、事情を知られずに売却することが可能です。新聞やインターネット上に公開されるため近所や職場に知られる可能性があります。
売却後の生活債権者との交渉により、場合によっては、わずかな生活資金を捻出できる可能性があります。前向きな気持ちで再スタートを切ることができるでしょう。売却代金はすべて債権者への返済に使われるため、財産をすべて失ってしまいます。今後の生活について見通しを立てることが難しくなります。

住宅ローンの滞納でお困りの方にとって、任意売却は競売にかけられる前に選択できる道です。競売に比べて、任意売却には価値の下落回避や信用履歴の回復、追加請求の回避といったメリットがあります。滞納が続いている段階で早めに専門家に相談し、任意売却の手続きを進めることが重要です。