売れない不動産

不動産の売却は、多くの人にとって人生で最も大きな取引の一つです。しかし、物件がなかなか売れない場合、ストレスと不安が積み重なります。この記事では、不動産が売れない主な原因と、それに対処するための対策を詳しくご紹介します。不動産売却を成功に導くために、以下の3つのポイントを押さえましょう。

1. 物件に問題がある

売れない原因

売却したい不動産の売れない原因が「老朽化」「立地条件」ということがあります。多くの人はできるだけ新しくて、きれいな家を好みます。築年数が古くて見た目にも老朽化が明らかな住宅は需要が低くなります。

そのほか、住宅が建っている地域によっても需要は異なります。生活の利便性の良いところの需要とそうではない郊外の需要では当然ですが差が生じます。需要の低い立地は売れにくくなります。

なお、広島の場合では、近年の豪雨災害の影響で災害警戒区域に指定されているエリアを避けたいという傾向にあります。土砂災害や洪水などの災害の危険性の高い地域の需要は低くなります。

また、車社会の広島では、駐車場がしっかり確保されている住宅の人気が高くなっています。駐車がしやすく、2台目の駐車スペースが確保できることも物件探しのポイントになります。判断材料の一つで、駐車場が1台分の家や掘り込み車庫の駐車場は避けられる傾向にあります。

対策

中古住宅の購入では、安心して住むことができる住宅かどうかが大きな判断材料です。しかし、築年数の経過した住宅には劣化や老朽化があって当然です。購入者は、そうした劣化や老朽化の部分を含めて販売価格が適正なのかを判断します。また、老朽化や不具合のある部分を修繕するための費用を購入価格に上乗せして周辺の売出物件と比較します。

不動産を売却するときに不具合や欠陥を隠すことはNGです。引き渡し後に欠陥が見つかりトラブルになることがあります。必ずわかっている情報はすべて伝えるようにしましょう。現在の不具合はもちろんですが、過去に修繕を行ったことがある場所も伝えるようにしましょう。売却時にすべての欠陥や修理が必要な箇所を伝えることで、取引後のトラブルを回避することができます。

立地条件は変えることができませんが、その場所の良さを伝えることも大切です。駐車場スペースに関しては、現状は1台でも塀を壊して庭に駐車場を設けることができるのであればプラスになります。

2. 内覧希望者が少ない

内覧者が少ない原因

不動産会社に売却をお願いしているけれど、内覧の問い合わせがないという場合は以下のような原因が考えられます。

依頼した不動産会社の宣伝活動の効果が低い可能性があります。インターネットが普及している現在では、インターネット検索で物件を探す方がほとんどです。ご自分の物件情報がどの媒体に掲載されているのかインターネットで検索してみましょう。実際に買う方の立場にたって検索した時の検索のしやすさや、掲載情報が魅力的で購入希望者に興味をもってもらえるような文章になっているかがポイントです。掲載されている写真もチェックしましょう。

また、販売価格が相場よりも極端に高く設定されてる場合は、「価格」が原因で購入希望者に見向きもされない可能性もあります。インターネットで価格を絞り込んで検索した場合に候補に表示されないことになります。

対策

広告掲載情報を見直してみましょう。掲載情報は必ず表示をしなければいけない基本情報のほかに、その物件の魅力を伝えるキャッチコピーなどがあるといいでしょう。購入希望者に興味を持ってもらえるような情報が掲載されているのか、購入者の立場に立って情報を見てみましょう。また、周辺の生活環境や商業施設などが充実度がわかる情報を記載することも重要です。

物件写真がその物件の第一印象の良し悪しを決定づけるといっても過言ではないでしょう。自分の家の魅力を十分に伝えることができる写真かどうか見直しましょう。物件写真は不動産会社の担当者が撮影することがほとんどですが、自分で撮った写真を掲載してもらうことも可能です。近年の住宅購入希望者は、事前に収集できる情報を確認してから行動に移る方が増えています。できるだけ多くの情報を提供して内覧してもらえる状況を作りましょう。SNSなどで動画を掲載することも有効です。

掲載情報が充実しているのに、どうしても内覧者が増えない場合は販売価格が原因となっている可能性が高いでしょう。販売価格の見直しを検討しましょう。同じエリアの販売情報を確認して競合になるような物件がないか確認しましょう。また、不動産会社の担当者に過去の類似物件の事例をみせてもらい、販売価格の妥当性を検討しましょう。

仮に自分が購入者だったと仮定して客観的にいくらだったら買うのかを考えてみることもいいでしょう。

一般的に販売価格は不動産会社の査定価格を基にして決めていますので、査定結果の精度が重要です。不動産会社の中には、売却依頼を獲得するために相場よりも高い査定額を提示する会社もあります。複数社に査定を依頼して、その中で高い価格を提示した不動産会社に任せている場合は要注意です。売却を依頼する不動産会社は、安心して売却を任せることができる信頼できる会社および担当者かどうかを見極めることが大切です。

3. 内覧から購入へ結び付かない

内覧から購入へ結びつかない原因

内覧は何度もあるのに、購入へ進まないケースもあります。そのような状況の場合は以下のようなことが考えられます。

広告掲載の内容を基に、内覧者は物件にある程度の期待値を持って内覧にやってきます。広告上では判断できないような内容で、実際に内覧をした際に、期待していたイメージと悪い意味での大きなギャップを感じてしまった場合は購入へは至りません。売主が居住中の場合は、荷物が多く生活感が漂う状態では、隅々まで確認できずに候補から外してしまうこともあります。多くの購入希望者は、これから新生活をするための候補として内覧をしています。内覧をしながら新生活のイメージをしていると考えると幸せな新生活のイメージがしやすい物件を選ぶ可能性が高いのは当然だと思います。

対策

広告情報で興味を持って内覧に来たのに、内覧しても購入をしなかった原因は、情報とのギャップです。掲載情報で良いと思った印象をそのまま内覧で良いと思ってもらう、もしくはさらに良い印象を持ってもらえれば購入してもらえます。

先にも記載しましたが、最近の購入希望者は、ネット情報で確認できることはとことん調べてから、買いたいという意思を明確にして内覧に向かう方が増えています。情報と現状のギャップを少なくするためにも、購入希望者が判断する材料となるための情報をできる限り事前に提供するといいでしょう。SNSなどでの写真や動画の投稿も購入希望者が情報を取得する手段として有効です。

好印象を持ってもらうための条件として、当然ですが室内外の片づけや清掃はできる限り行いましょう。空き家状態が長くなると雑草やクモの巣などで物件のイメージは低下します。定期的な管理が必要となります。

ただし、印象を良くするためにリフォームやリノベーションを行うことはあまりお勧めしていません。好印象を持ってもらうために多額のリフォーム費用をかけたとしても、かけた費用分をプラスして売却できる可能性が小さいからです。購入者の中には、リフォーム済みの物件を高く買うよりも、安く買える物件を自分好みでリフォーム・リノベーションしたいと考える人が増えています。せっかくきれいにリフォームをしても好みが違えば選んでもらえませんので、もったいない結果になります。リフォームを検討中の場合はご相談ください。

なお、売り出し中の物件にはできるだけ荷物を残さない方が印象は良くなります。不要なものは早めに処分しましょう。居住中の場合も、可能な限り物を減らして、見えるものは整理整頓された状態で清潔感があるように見せることがポイントです。

購入希望者と直接話す機会があれば、積極的にその家のことについてお伝えしてください。実際に生活している人の生の声を聞くことで購入希望者によりリアルな生活のイメージを持ってもらうことができます。生活する中で良いことと合わせて、こうだったら良かったのにという改善できたら良い部分もあれば隠さずに伝えましょう。

不動産買取という選択肢も

これらの対策を講じることで、不動産の売却がスムーズに進む可能性が高まります。

しかしながら、あらゆる手段を試したが、どうしても売れない場合には、不動産買取という選択肢があります。不動産買取は、不動産会社が直接買い手になる取引で、多数のメリットがあり早期に現金化したい時などに有効です。詳しくはこちらをご覧ください。

不動産買取で注意しなければならないのは、通常の売却価格よりも約7割ほど価格が下がる可能性があることです。不動産を売却する手段はたくさんありますので、迷ったらまずはお問い合わせください。


この記事では、不動産が売れない主な原因と対策を詳しく説明しました。不動産売却は慎重に計画し、市場動向や需要に合わせて戦略を練ることが成功の鍵です。物件の魅力を最大限に引き出し、適正な価格で提供することが、円滑な売却のための重要なステップです。不動産売却でお困りなら株式会社グッドエステートにご相談ください。

投稿者プロフィール

吉田 和美
吉田 和美株式会社グッドエステート 代表取締役
栃木県出身。1978年3月生まれ。20代前半は演劇活動に没頭、20代後半の5年間をフィリピンで過ごした後に、広島に移住。広島のリフォーム事業大手グループの不動産会社にて約10年間不動産売買に従事。2023年3月株式会社グッドエステート設立。3児の父。趣味は自作のピザ窯でピザを焼くこと。